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しかしながら、すべての環境への影響が、農業による生息地の破壊、肥料、殺虫剤の散布などによるわけではない。運搬、加工、包装、市場産業も同様に環境に影響を与える。もともとの資源から消費者の手元まで食物を運ぶ際に使われる天然資源に立ち返って考えることは非常に重要である。例えば化石燃料は、産地から消費者までの食物の輸送のための燃料として、しばしば食品加工の際の燃料として、そして合成樹脂の形で包装に使われる場合があり、このような化石燃料の起源と行方を注視することが天然資源に立ち返って考えると言うことである。
食物の選択と同様に、人間のための食物を生産する方法が与える個別の動物と植物への影響から、倫理上の考察が生じてきた。もし子供達が、野生生物と環境に対する悪影響を少なくするということに注意しながら、自分たちの健全な生活習慣について追求するならば、彼らが自分たちの食べている食物に対する価値観を転換するきっかけにできるだろう。
このアクティビティーの重点は、子供にこの価値観の転換を始めるきっかけを与えることにある。

 

材料
書くもの

 

手順
1. 加工食品を選択する。選んだ食品の成分を明らかにする。話し合いの中で、食品の成分の起源をすべて調べる。どこでどのように育ったか、あるいは作られたか、どのように収穫され、加工されて、運ばれて、包装されて消費者が利用できるようになったかも含める。
2. 昼食のために持って来たり買ったりした食べもののリストを作るように言いなさい。食べものが入っていた包装資材についても必ず含むようにする。
3. あるひとつの食物を選んで、それがどこでどのように育ち、収穫され、加工されて(されている場合のみ)、運ばれて、包装されて、消費者である子供が手に入れられるようになったか、までを含めて、起源からの道筋をたどる。子供に食物の通り道の単純なフローチャートをつくるように言いなさい(子供はこの時点で、追加の情報を得るためにいくらか研究をすることを望むかも知れない)。
4. 次に、食物が到着するためにとった通り道に沿って、野生生物と環境に起こりうる影響の絵を図に付け加える。
5. 食物の通り道と、その過程で野生生物と環境に与える影響について描いた絵付きの図を使って発表する。
6. 調査結果を話し合い、そしてまとめる。

 

 

 

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